就活や昇進、入試でTOEICスコアが求められる時代。
でも、「何から始めたら良いかわからない」と悩む人は多いのではないでしょうか。実際、あらゆる場面でTOEICスコアが評価基準になる今、こうした不安を抱える人は多いです。
私は大学生で、高校時代から英語に力を入れていたため、初めての受験で735点を取得できました。
しかし、800点を超えるまでには7か月を要しました。
スランプを経験し、成功と失敗を何度も繰り返しながら、ようやく自分に合った最適なスコアアップ法を確立できたのです。
そこで今回は、「TOEIC初心者が800点台を目指すための最も効果的な勉強法」をご紹介します。
英語の知識がゼロの状態から受験までにやるべきことを、順を追って丁寧に解説しますので、初心者の方も安心して読み進めてください。
結論
正しい勉強法でコツコツ積み上げればTOEIC800点台も狙える!
対象者
- TOEIC800点台を目標にしている方
- 初めての受験で何から始めたら良いかわからない方
- 伸び悩んでどの教材を使えばいいかわからない方
TOEIC初心者におすすめの正しい勉強手順
初めて受験の方は以下の手順で練習すると少ない労力で目標達成できます。
① 金フレレベルの単語帳を周回(6周以上)
② YouTubeや参考書で全パートの形式と解き方を理解
③ 公式問題集(1回目)で2時間測って実践演習
④ 苦手パートの集中演習
⑤ 模試の2回目(試験直前の1週間前)で仕上げ
①金フレレベルの単語帳を周回(6周以上)
単語学習には、何よりも時間をかけてください。
英文が読めない・聞き取れない最大の原因は、間違いなく語彙力の不足です。
「リスニングと語彙力に関係があるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
しかし、リスニング力が伸びない原因の多くは、単語を音で認識・理解できていないことにあります。
もちろん、発音変化や慣れも一因ではありますが、知っている単語が多いほど、内容の理解度は飛躍的に上がります。
おすすめの教材は、『金のフレーズ』か『金の1000問』です。これらを活用して、「分散学習」という効果的な学習法を実践しましょう。
分散学習とは、英単語を繰り返し復習しながら、徐々に復習間隔を広げていく方法です。短期記憶から長期記憶への定着を促すため、科学的にも効果が認められています。
私は実際に使っていた「英単語学習カレンダー」を作成しました。
よければ保存して、日々の学習に役立ててください。
② YouTubeや参考書で全パートの形式と解き方を理解
単語学習と並行して、初心者にぜひ取り組んでほしいのが、TOEICの全体像の把握です。具体的には、問題の構成、各パートの解き方、注意点などを理解することが重要です。
ここでは、私が実際に活用していた2つの学習リソースをご紹介します。
ひとつはYouTubeの「Morite2 English Channel」、もうひとつは書籍『初めてのTOEIC全パート総合対策』です。
Morite2 English Channel(YouTube)
もりてつ先生は、TOEIC満点を110回達成(2025年5月24日現在)した、TOEIC界で非常に有名な英語系YouTuberです。YouTubeチャンネル登録者数は36.6万人(同日現在)にのぼり、英語学習者から高い信頼を得ています。
このチャンネルでは、各パートの出題形式や攻略テクニックを、短く分かりやすい動画で解説してくれます。
TOEIC初心者でも取り組みやすく、全体像の把握に最適です。
以下のリンクから再生リストにアクセスできますので、ぜひご覧ください。
👉 https://youtube.com/playlist?list=PLt4g_MlAkmOpTe0GfzhSpuZlPaAvtwEbw&si=O4FqNcB0sirSp48Q
TOEIC総合対策本
書籍『初めてのTOEIC全パート総合対策』は、TOEICの全体像をつかむのに非常に役立つ一冊です。
具体的な内容については、後ほど詳しくご紹介します。
③ 公式問題集(1回目)で2時間測って実践演習
単語帳の全単語を6周学習し、語彙の全体像をつかめたら、次は公式問題集を使って本番形式で解いてみましょう。2時間タイマーをセットして、実際の試験と同じ条件で挑戦してみてください。
この段階では、得点を気にする必要はまったくありません。最初はできなくて当然ですし、目的は実力を測ることではなく、自分の現時点での立ち位置を知ることです。
解き終わった後は、苦手なパートや問題形式を明確にして、メモに残しておきましょう。そのメモが、今後の効率的な学習の道しるべになります。
④ 苦手パートの集中演習
1回目の公式問題集を解き終えたら、自分の弱点メモを参考にして、苦手なパートの強化に取り組みましょう。
おすすめは、「究極のゼミ」シリーズです。分厚く感じるかもしれませんが、初心者にも寄り添った丁寧な解説が魅力です。時間がしっかり取れる方には、非常に有効な一冊です。
一方で、仕事や学校で勉強時間の確保が難しい方も多いと思います。そんな方には、「TOEIC特急」シリーズがおすすめです。文庫本サイズで、通勤・通学の電車内などでも手軽に読んだり書き込んだりできるので、スキマ時間を活用した学習にぴったりです。
⑤ 模試の2回目(試験直前の1週間前)で仕上げ
2回目の公式問題集の演習は、試験直前の「1週間前」が最もおすすめです。試験日とあまりに離れてしまうと、2時間で解く感覚が鈍ってしまいますし、逆に3〜4日前だと復習・解き直しの時間が足りなくなるためです。
この演習でも、必ず2時間を計って、本番と同じ環境で取り組みましょう。1回目よりも手応えを感じられたら、それは今までの努力がしっかり実を結んでいる証拠です。
※公式問題集は、なるべく「番号の大きいもの(=最新版)」を使うようにしましょう。
出題傾向が年々アップデートされているため、最新の形式に慣れておくことが重要です。
私のスコア変遷と使用教材
スコア変化、使用教材、学習期間の一覧表
以下に私のスコア変化、学習期間、使用教材の一覧表を提示します。
スコア帯 | 使用教材 | 学習期間 |
---|---|---|
~735 | 金の1000問、でる1000、初めてのTOEIC全パート総合対策、公式問題集9 | 2023年3月 ~ 2023年5月 |
735–780 | 究極のゼミパート3・4、5・6 | 2023年6月 ~ 2023年8月 |
780–870 | 黒フレ、精選模試リスニング2、極めろリーディングパート7、公式問題集10 | 2023年9月 ~ 2024年3月 |
870–895 | 900点特急、極めろパート7、公式問題集11 | 2025年2月 ~ 2025年4月 |
常時使用 | YouTube(Luke’s English Podcast)、TOEIC超速攻神ポイント100 | 2023年3月 ~ 2025年4月の全期間 |
それぞれの教材について
読んでくださっている方の中には、各教材の内容や難易度が気になる方もいるかもしれません。1つ1つ簡単に解説します。
以下に、TOEICスコアの推移とそれぞれの時期に使用した教材を、学習期間とともに上から順に整理して記載します。
【スコア ~735点】
■ 学習期間:2023年3月〜5月
■ 使用教材:
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金の1000問』(TEX加藤/朝日新聞出版)
書店でよく見かける「金のフレーズ」の姉妹本。1000個のTOEIC頻出英単語を、2択の文法問題形式で覚えることができます。問題形式はPart5に近く、語彙と文法の両方を同時に鍛えることができる、一石二鳥の教材です。
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』(TEX加藤/アスク出版)
「金のフレーズ」の著者であるTEX加藤さんによる、文法問題集&解説書。前半は品詞問題や接続詞問題など、出題形式ごとに分類されており、各パターンの効率的な解き方を学べます。後半にはランダム構成の30問模試が10セット付属し、本番さながらの演習が可能です。
『増補改訂版 はじめてのTOEIC L&Rテスト 全パート総合対策』(塚田 幸光/アスク出版)
TOEICの全体像を理解するために使用。各パートの問題形式や解法を丁寧に解説しており、初学者でも安心して取り組めます。TOEICの「全体像の把握」がなぜ重要なのかについては、TOEIC初心者におすすめの正しい勉強手順の②で詳しく解説しました。
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 9』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
TOEICの問題・解答は非公開ですが、この教材は制作機関ETSが作成した公式模試です。書店やAmazonで入手可能。実際の試験と同じフォーマットで、本番に最も近い練習ができる信頼性の高い一冊です。
【スコア 735〜780点】
■ 学習期間:2023年6月〜8月
■ 使用教材:
『TOEIC L&Rテスト 究極のゼミ Part 5 & 6』(ヒロ前田/アルク)
究極のゼミシリーズは、ヒロ前田先生とオリジナルキャラクターによるセミナー形式で、各パートの問題の解き方を丁寧に教えてくれます。ヒロ前田先生の説明は初心者にもわかりやすく、生徒キャラクターがやりがちな間違いを実際に示してくれるのもポイントです。1回受験して特定のパートが苦手な方に特におすすめの教材です。
【スコア 780〜870点】
■ 学習期間:2023年9月〜2024年3月
■ 使用教材:
『TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ』(藤枝暁生/朝日新聞出版)
「金のフレーズ」より難しい単語が多く掲載されています。正直、800点以下を目標にするならオーバースペックなので、まずは「金のフレーズ」を完璧にしましょう。近年TOEICの得点が取りにくくなっているのをご存知でしょうか?その一因は難単語の増加で、最近のテストでは「黒のフレーズ」からも出題されています。
『TOEICテスト新形式精選模試 リスニング2』(ジャパンタイムズ出版)
精選模試シリーズは難問が多く、負荷の高い問題集です。個人的には、800点以上を目指すレベルに達してから取り組むと最も効果が高いと感じます。とはいえ、TOEICの難化傾向を考えると、700点台の方でも挑戦する価値はあります。
『極めろ!リーディング解答力 TOEIC L&R TEST PART 7』(関正生/スリーエーネットワーク)
Part 7に特化した教材で、NOT問題やチャット問題、複数パッセージ問題など、項目別に分類されています。スタディサプリで有名な関先生の詳しい解説と豊富な演習が特徴です。関先生は予備校で250人の教室を満員にしたり、200人以上の聴講者を集めるなど、多くの受験生から絶大な支持を得ています。
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 10』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
公式問題集9と同様の問題集ですが、番号が上がるにつれて難易度も上がっていると感じます。
【スコア 870〜895点】
■ 学習期間:2025年2月〜4月
■ 使用教材:
『TOEIC L&R TEST 900点特急 パート5&6』(TEX加藤/朝日新聞出版)
900点を目指す人が間違えやすい問題を模試形式で収録しています。実際に解いてみましたが、安易に正答だと思い込むとひっかかる問題が多い印象です。この「900点特急」を使ったおかげで、Part 5・6のストレスはかなり減りました。
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11』(国際ビジネスコミュニケーション協会)
公式問題集10よりもさらに難易度が上がっており、本番の難易度により近づいています。
【常時使用していた教材・学習リソース】
■ 学習期間:全期間を通して継続
■ 使用教材・リソース:
『関正生の TOEIC L&Rテスト 超速効!神ポイント100』(関正生/学研プラス)
先ほども紹介した関先生の著書です。各パートの裏技やテクニックを、独自の視点を交えながらわかりやすく解説しています。暗記に頼らず、核心を理解させる内容なので、英語が苦手な人にも適しています。スコア帯を問わず活用できます。
YouTubeチャンネル『Luke’s English Podcast』(ルーク・トンプソン)
TOEICだけでなく、日常会話の学習にも役立ちます。ルーク先生はイギリス出身のコメディアンで、ストーリーが面白く英語学習が楽しくなります。動画内の重要単語は実用的な例文で説明され、教科書のような堅苦しい英語が苦手な人におすすめです。
終わりに
TOEICは、目標スコアや現在のレベルによって選ぶべき教材や学習法が大きく変わります。本記事では、初心者から上級者までを想定し、それぞれの段階で有効な参考書やコンテンツを厳選して紹介しました。単語・文法の基礎固めから、リスニング・リーディングの実践力強化、さらには試験本番を見据えた模試やテクニックまで、段階的に学べる道筋が見えたかと思います。
大切なのは、焦らず着実に、自分に合った方法で学習を継続することです。紹介した教材やチャンネルをうまく活用し、目標スコアの達成はもちろん、英語力そのものの向上にもつなげていってください。あなたの学習が実りあるものとなることを願っています。
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